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大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社

目先の課題は「劇」のヴァリュエーション

異常な暑さ。誰しもが感じた世界的な猛暑も、峠を越しつつあるように思えるようになってきました。キャンパスの自然を見ると、平年を取り戻すかのような動きが見られます。キャンパスの小径には蝉の亡骸に蟻が群がり、上を見れば青い毬栗がたわわに出現してきました。暑さも時が経てば変化してきます。
「もともとそなたの国の公爵がわが国の善良な商人たちに悪意にみちた残虐なふるまいをしたればこそ、近ごろ両国のあいだに不和軋轢が生じたのだ。……ものものしい会議を重ねた結果、シラキュース、エフェサス双方によって決議文が決せられ、憎しみあう両国の通商の道はとだえたのだ」(シェークスピア/小田島雄志訳『間違いの喜劇』白水社)
急変動が起きたヒトの世界では、一旦生じた変動を次の「均衡」状態へ持っていくまでには時間を要します。小型株市場では、市場参加者で重要な地位を占めていた個人が盆休みもあって木陰へ引き籠もってしまっています。(データは例月の如く来月に提示します)それでもIPO初値だけは活発。その後の持続性が課題になりつつあります。IPOでの流動化を目標にしてロックアップ条件で株式を保有しているVCには平常心を維持するのは容易ではありません。事態が喜劇で終わるのか、悲劇の始まりなのかの将来評価力が問われてくる事でしょう。
「一九三〇年代にアメリカは大恐慌を経験したが、その原因のひとつはアメリカが排他的な態度で他国に打撃となる関税を押し付けたことだ。ここから言えるのは、もし自国や自分自身を高めたかったら、偏見を捨てて他者を受け入れないといけないということだ。」(ジム・ロジャーズ/林康史訳『娘に送る12の言葉』日本経済新聞出版社)
人間相手の世界は複雑でも、対象がモノなら計画の確度は高いようです。増床棟の建設現場は床工事から壁へ移りつつあります。暑いさ中でも進んでいる工事には、墨俣築城を彷彿とさせるものがあります。

2018年9月 代表取締役 神保 敏明

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