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大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社

薄暮に落ち葉の上を歩く

11月を迎えます。名実ともに秋の日暮れは釣瓶落し。秋の夜長は夕刻のバス停が夕闇に包まれている事で感じることができます。木々の香りも脹やかです。昼も夜も読書向きの季節になりました。
「読書の秋」向けに、岩波新書創刊80周年として「図書」誌が臨時増刊を出しました。その中に仲野徹大阪大学医学部教授による読書のススメが掲載されています。読書で知の糧を脹やかにしましょう、というものです。この仲野教授は「書評家」という肩書もお持ちです。同窓生の医師で作家である久坂部羊氏の作品『嗤う名医』(2016年集英社文庫)の解説も物しておいでです。
『嗤う名医』は6つの短編からなる作品集です。締めの小話「嘘はキライ」は、嘘の発言をしている人の後頭部に生じる、黄緑色の狼煙を視る特殊能力を持つ“名医“の話です。
秋を迎えて、OUVCは年間の投資件数が創業来最大になりました。勿論、OUVCの投資は金額や件数を増やすことが目的ではありません。それが社会にとって有益な働きをし、豊かな生活を生み出してこそ、です。同時に、投資採算も欠かせません。投資資産が増殖できる状態になってこそ、の投資でしょう。ここで嘘を見抜く力が求められてきます。
虚偽の量と期待値の大きさで変動する証券市場を睨みつつ、「嘘はキライ」に登場する水島道彦医師の様な能力を持ったキャピタリストと案件を求め続けています。難しいのは、信じ切って発言している場合には名医でも見抜けない事です。景気観と実際の株価指数の動きには乖離が生じています。秋の空気は澄んでいても、夕暮れは遠目が利きにくくなります。来年を睨んで嘘を見抜く知の糧を膨らませる月です。
増床棟は再び養生シートで覆われました。工事進行表には、内装工事に入った旨の表示が掲げられています。

2018年11月 代表取締役 神保 敏明

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