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大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社

プレスリリース

阪大発ベンチャー「PGV株式会社」への投資を実行しました

阪大発ベンチャー「PGV株式会社」へ投資を実行

大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(以下「OUVC」)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:松見芳男)を無限責任組合員とする、OUVC1号投資事業有限責任組合(以下「OUVC1号ファンド」)は、平成28年11月15日付で、PGV株式会社(以下「PGV」)(本社:大阪府豊中市、代表取締役社長:髙木秀人)が発行する新株予約権付社債5,000万円の引受を行いました。

大阪大学関谷教授が開発した技術を事業化

PGVは、大阪大学産業科学研究所・関谷毅教授が開発したEEG(Electroencephalogram:脳波計)の社会実装を担うベンチャーとして、平成28年9月に設立されました。このEEGは、額に貼る冷却シートほどの小型サイズでありながら、大型医療用EEGに匹敵する検出精度を備えているため、人々の脳活動を簡便に可視化することが可能です。
関谷教授の発明は、文部科学省が平成25年度に創設した「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」において、全国に18ある拠点の一つとして採択された大阪大学COI拠点「人間力活性化によるスーパー日本人の育成拠点」での活動から生まれた研究成果(注1)です。大阪大学COI拠点は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラムによる支援により、17研究機関、27企業と共同で研究を進めています。
(注1) 詳細は、平成28年8月17日付の大阪大学とJSTとの共同発表資料 (http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160817-2/index.html)をご参照ください。

3兆円以上の規模が見込まれる脳科学関連市場

日本国内市場において、脳科学を応用した市場(AI搭載ロボット、自動運転補助、社員研修等の多種多様な分野からなる)は2025年に3兆円以上の規模と見込まれています。PGVのコアとなる事業はプラットフォームおよびビッグデータの展開であるため、さまざまなアプリケーションへ応用することが可能で、応用脳科学市場に多大なる貢献を果たすことが期待されます。 このような応用脳科学市場において、脳活動を可視化するデバイスはEEGのみならず、fMRI(磁気共鳴機能画像法)、NIRS(近赤外線分光法)、MEG(脳磁計)などが存在しますが、高い安全性のほか、サイズや価格の面で優位性を持つことから、より多くの人々に展開可能なデバイスはEEGであると考えられており、世界的にも、簡易に測定できる民生用EEGが盛んに開発され始めています。そのなかで、関谷教授が開発したEEGデバイスは、小型でありながら医療機器並みの測定精度を備えており、技術的にも優れた構造となっています。

ビッグデータをコアとした3つの事業パイプライン

PGVでは、関谷教授が開発した革新的なEEGを用いて、以下のようなプラットフォームを構築し、そのプラットフォームまたはビッグデータをコアとした新たなコミュニケーションの創造を目指し、ビジネスを展開していく予定です。
・ EEGデバイスを世界の人々に展開し、多くの脳波データを取得
・ デバイスからクラウドデータベースへ脳波データを伝送し、ビッグデータを構築
・ 構築された脳波ビッグデータをAI技術を用いて解析し、意味あるアウトプットを還元
現在の事業計画では、EEGデバイスをベースとしたプラットフォームおよびビッグデータをコアとし、「ニューロマーケティング」「睡眠」「医療・ヘルスケア」の3つの事業パイプラインを順次立ち上げることを想定しています。
① ニューロマーケティング
事業開発当初は企業と共同で脳波データの活用方法を創出するモデルを目指します。具体的には、企業が興味を持ったアプリケーションでのEEG(貸出)による脳波測定を行い、脳波データの活用方法を共同で見出します。さらにこの活動を通じ、将来的に有用な脳波データ(マーケティングデータ)を企業に提供する専用プラットフォームを構築します。関谷研究室では複数の企業等と共同研究が行われているほか、デバイス提供の申出が多く寄せられています。
② 睡眠
関谷教授が開発した小型のEEGデバイスは、関谷研究室と大阪大学医学研究科/歯学研究科との実証実験により5種類の脳波検出により睡眠を高精度に計測できることが実証されています。この結果をもとに更に検証を進め睡眠に特化したアプリケーション開発を促進します。
③ 医療・ヘルスケア
医療・ヘルスケア分野では、血圧計や心電図といった、脳疾患の簡易診断デバイスとしての使用を想定し、疾患と脳波の因果関係の検証を進めます。また、特定のアプリケーションに特化した専用デバイスの開発も視野に入れています。

PGVは、関谷教授が開発したEEGを活用して多くの脳波データの蓄積・解析するプラットフォームおよびビッグデータを構築することにより、医療を含めたさまざまなアプリケーションにおいて脳波利用を可能にし、脳科学市場において革新的な役割を果たすことが見込まれています。
  OUVCは、PGVへの投資に対し、アーリーステージでリスクを伴う案件であるものの、関谷教授の技術を事業化することは大きな社会的貢献が期待できると判断いたしました。また、大阪大学においても極めて注目度の高い研究成果を活用する案件であり、その支援をOUVCが担う意義は大きいことから、投資を決定いたしました。

・PGVの概要
会社設立            20169
事業内容             革新的な脳波計および取得した脳波データを用いたプラットフォーム事業
所在地                大阪府豊中市
代表取締役        髙木 秀人(たかぎ ひでと)

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